アイオンの鍵

創作好きの絵と文サイト。オト(@oto05i)の日々とウサギ、ゲーム、青い食べ物など。オリジナルイラストとファンタジー小説展示。

「ちち比べ」

投稿日:2014年11月3日 更新日:

マモンとリーヴィ

魔界にて、処女と童貞の戯れ。

 なんとなしに赤い悪魔をじっと見ていたら、鼻で笑われた。
それどころか流れるような動作で手をつかまれると、そのまま……やわらかくてあたたかい何かにむにゅっと押し付けられた。

「……これだから、生前ろくに女遊びも出来なかった坊やは」

 どうやら、とんでもない勘違いをされたらしい。

 最近、魔界で良く見かける組み合わせだと思う。

「ねぇリーヴィ」

 黒いカラスが、青い水竜に話しかけている。

「……なによ」

 うっとうしがりながらも、カラスの方に視線を投げる水竜……いや、正確には彼女は魔界を統べる魔王クラスの大海竜・レヴィヤタンの一対、嫉妬の女王リーヴィだ。

 対するカラスの正体も、これまた魔王と呼ばれる存在である。
男性体のくせに、腹出し太もも出しツインテールのふざけた格好をしてはいるが、実力は折り紙付き。金にまつわる全ての事象に精通しているといわれる、強欲の魔王マモン・クロイだ。

 気が合うのかどうかは本人たちに聞いてみないとわからないが、この二人はしょっちゅう一緒にいる。四六時中と言っても良いほど、ほとんどずっと一緒だ。
男性体と女性体なので、付き合っている可能性もあるのかもしれないが、傍目から見れば女の子同士キャッキャウフフしているだけのただの百合にしか見えない。
補足するなら、主にキャッキャと騒いでいるのはカラスの方だけであるが。

 マモンはリーヴィの正面に立つと、その身長差でマモンの頭はリーヴィの丁度胸の前に来る。
そう、あの豊かな胸の谷間が、ちょうどマモンの目の前にくるのである。
そして、言った。

「おっぱい揉ませて!」
「はっ!?」

 まさか女装した男にそんなことを言われるとは思ってもみなかったのか、普段なら絶対に見せないような顔をしてリーヴィは後ずさった。
マモンがじりじりと距離を詰めるが、もちろんリーヴィもじりじりと後退していく。なんだか面白い絵面である。

「突然なんなのよ!」
「いやー、リーヴィの胸って結構大きいよね。どんな感じなのかなーって」

 何でもないことのようにマモンは言った。しかし、いくら見た目が女の子っぽくてもマモンは立派に男の子である。
リーヴィに迫るマモンの顔は普段どおり、化粧済みの女装少年の顔だったが、手はどこぞのエロ親父のようにわしづかむ気満々である。

 当事者のリーヴィは混乱していた。

 長い間生きてきたが、こんなこと言われたのは初めてだったのである。
そりゃ普段水竜の姿になっているときに胸なんてモノは付いていないので気にしたこともないが、人型の姿をとっている時は、何となくでなっているので胸のサイズなんて気にしたことがない。いや、気にしたことがないと言えば嘘になる程度に気にはなっていたが、所詮その程度の認識であったと思う。何せリーヴィには元々つがいとして雄の水竜が常に傍らにいたのだから、胸の大小でつがいが解消されるわけでもないし気にする必要はなかったのだ。
しかしマモンは魔王になる前は元々人間の男性だったので、ひょっとしたら女性の胸なんかには興味津々だったのかもしれない。しかしそう思うと何となく、今まで長いこと一緒にいたというのに、何だか、ちょっとだけ嫌悪感が生まれたというか、マモンに幻滅したというか。
所詮人間の男なんて、やはりそんなモノなのね、何てことを思ったりして……

「おーい」

 突然胸を揉ませてくれなんて、真正面から頼んだのが間違いだったのか、リーヴィは妙な姿勢で石化してしまったようだ。

「勝手に揉むよー」

 反応はない。
それを良いことに、マモンはリーヴィの豊満な胸に手をかけた。
……もちろん服の上からではあったが。

……ぷにっ

「うーん……あれっ、リーヴィ、大きさは意外と普通?」

……もみっ

「それに、なんか……」

……モミモミ

「……なんか、かたい」

 ピシッ、と空気に亀裂が入る音がした。

「やっぱ自分には付いてないもんだからさ、気になるじゃん。けどあんまり面白いものでもないねー、もうナマ乳はアスモのやつ触らしてもらったしなー」
「な、んですってぇ……」
「リーヴィごめんね! アスモデウスに後学のために少しは女の味も覚えろとか言われてさー……」

 ビシビシビシッ!
空気どころか、リーヴィの中の何かが割れる音を聞いたマモンは慌てて手を離すが、何せ目の前にいるので……

「よりによって、アスモデウスと比べるなんて……」

 元々サイズなんて気にしてないとか言いつつ、やはりどうしてもアスモデウスとの差が気にはなっていたのに、比べられてしまった。
しかもどうやっても勝ち目のないやつと比べられてしまった。どう考えてもアスモデウスの方が大きいに決まってる。
なぜなら彼は、色欲を司る魔王なんだから。

「最っ低ー! 馬鹿―――っ!!!」
「ぎゃああぁぁぁァァァ―――っ!!!!」

 その日、魔界の一部(局地)は、全てを洗い流す大津波に飲まれたそうだ。
そこには明らかにトライデントで止めを刺されたであろう、カラスの死骸が転がっていたそうな。

 事の一部始終を目撃していた黒猫が、死骸に話しかけた。

「……ホントに死んだ?」
「魔王だから死ななーい」

 地上はどうだか知りませんが、今日も魔界は平和です。

ダブルレクタングル用

ダブルレクタングル用

-
-,


コメントを閉じる

comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

HN:オト


HN:オト
好き嫌いの激しい雑食性偏食家。天使と青色1号が好物。脳みその主成分がSFと人外とファンタジーで出来ている。
絵が少し描けます。小説も書きます。
月の住人と同居中。創作国チョコミン党きのこの山派メーデー民ゲーマー。乗馬はじめました。
最近youtubeにゲーム実況動画投稿中。

Twitter@oto05i メール Skeb

ブログ村

応援クリックをお願いします。
にほんブログ村 イラストブログへ  にほんブログ村 うさぎブログへ

Amazon

オトさんへの支援

検索

月の使者

B.B.